食中毒の原因を探せ

食中毒の感染経路と原因には色々な種類が!

食中毒の主な原因は、目には見えない大きさの細菌やウイルスで、さまざまな種類のものがあります。
また、食中毒からの回復には病原体の種類が大きなカギとなります。
「その病原体がなぜ体内に入ってしまったか」という感染経路を知ることは、食中毒の防止に役立つのです。

食中毒の感染経路は?

病原体は細菌やウイルスで、一般に糞尿や汚染された水、衛生管理の行き届かない汚れた食器・調理器具・家具などの表面、化膿した切り傷などに存在します。また、食材は衛生的に管理されてお店に並びますが、熱処理や滅菌がされていない限りは何らかの微生物 がついている可能性があります。ですが、それが食中毒の原因になるかは別の話で、世の中に存在する微生物のうち病原性のあるものは一部ですし、家庭で適切に処理されることで食中毒のリスクを軽減できるのです。

食中毒を防止するための基本的なルールは「菌をつけない、増やさない」ですが、病原体が見えないこともあり、何に注意をしたらよいのか困ることもあります。
まず注意することは、手をきちんと洗うこと。調理前はもちろん、調理中にトイレに行ったときや、異なる食材を触るときには、必ず石鹸などで手をきれいに洗いましょう。
手を洗った後に使う手拭タオルも、汚れてくると湿気と皮脂等の汚れが栄養分となり菌の温床となります。そして、まな板や包丁も汚れと水分が十分であれば菌の温床となります。タオルやふきんは頻繁に取り替え、調理器具は調理台の表面も含めて洗浄することが重要です。

生魚や生肉を取り扱った表面や器具をしっかり洗浄せずにサラダ用の野菜を切ったりするのは大変危険です。食材ごとに調理器具はきちんと洗浄しましょう。食材の種類ごとに調理器具を分ける、まな板の両面を使い分ける、生食扱いの食材を先に調理し、生肉・生魚類は最後に切るといった工夫も効果的です。

生の食材を食べると食中毒が起こる確率が高くなります。また、調理後でも長い間の保存で食中毒の原因となる微生物が増殖し、食中毒が起こることもあります。このような危険性を減らすためには、食材はしっかり加熱すること、そして、残ったおかずを再加熱することが有効です。ただし、加熱では不活化されない毒素を出す菌もあります。特に、焼肉や肉を使った総菜の残り等は、保存期間が長くなったら迷わず捨てましょう。
それから二次感染ということも考え、保因者や発病者は調理しない、浴槽に入らないなど、特に子どもやお年寄りのいる家庭では気をつけてください。

※注意:食中毒にはいろいろな症状があり、それぞれの体質により症状の程度も異なりますので、自分で診断するのは大変危険です。おかしいなと思ったら、早急に医師の診断を受けましょう。

代表的な食中毒と原因菌
中毒名 原因菌 感染源 潜伏期間 主要症状
ブドウ球菌
食中毒
黄色ブドウ球菌 化膿したキズ、ニキビや鼻の中、糞尿、のどなど、身の回りにいる。手指などを介して食品を汚染すると、エンテロトキシンという毒素を作る。 1~5時間
(潜伏期間が短い)
吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、まれに発熱。通常2~3日で治癒。
ボツリヌス
菌食中毒
ボツリヌス菌 酸素の無いところでのみ生育する特性から、ハム、ソーセージ、野菜、果物の缶、瓶詰などが主な原因食品とされる。本菌芽胞がこれらの食品で発芽、増殖、神経毒素生産を行い発症する。 5~6時間から
2~8日
嘔吐、神経麻痺症状、瞳孔散大、便秘、閉尿などが、数日ないし数週間続く。死に至ることもある。
エルシニア
食中毒
エルシニア菌 ネズミ、豚、犬、猫などの保菌動物から排泄された菌が河川や井戸水を汚染することから感染。豚肉を切った手指、まな板、包丁を介して他の食品を汚染する。 2~11日 腹痛、下痢、発熱。
サルモネラ
食中毒
サルモネラ菌 鶏卵の殻や中身も汚染の可能性もある。不十分な加熱、手指や調理器具を介しての二次感染も多い。 6時間~6日 腹痛、下痢、嘔吐、発熱。特に発熱の頻度が多い。
腸炎ビブリオ食中毒 腸炎ビブリオ菌 近海産魚介類およびその二次製品。発生は夏季に集中し、冬季の発生はほとんどない。 8~24時間 腹痛、下痢、嘔吐、吐き気、発熱。たまに、循環器障害。
ウェルシュ菌食中毒 ウェルシュ菌 原因食品は食肉および魚介類が多い。これらの材料を大量に加熱調理して供給する際に、大鍋の底などで増殖。別名給食病。 6時間~3日 腹痛、下痢、嘔吐、吐き気、悪心。
カンピロバクター食中毒 カンピロバクター菌 豚や牛、鶏の腸管にいる菌で、解体時に肉を汚染することが多い。加熱不十分や、二次汚染も多い。初夏から初秋に発生。 1~7日 下痢、腹痛、発熱、頭痛。発熱は38℃台が半数。
セレウス菌食中毒 セレウス菌 食品を汚染して増殖し、菌数が多くなった後摂取すると発病する。土壌中をはじめ、広く調理環境に分布している。 (1)下痢型:8~16時間
(2)嘔吐型:1~5時間
(1)下痢、腹痛。
(2)悪心、嘔吐、一般的に症状は軽く、1~2日で回復。
ブドウ球菌食中毒
原因菌 黄色ブドウ球菌
感染源 化膿したキズ、ニキビや鼻の中、糞尿、のどなど、身の回りにいる。手指などを介して食品を汚染すると、エンテロトキシンという毒素を作る。
潜伏期間 1~5時間(潜伏期間が短い)
主要症状 吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、まれに発熱。通常2~3日で治癒。
ボツリヌス菌食中毒
原因菌 ボツリヌス菌
感染源 酸素の無いところでのみ生育する特性から、ハム、ソーセージ、野菜、果物の缶、瓶詰などが主な原因食品とされる。本菌芽胞がこれらの食品で発芽、増殖、神経毒素生産を行い発症する。
潜伏期間 5~6時間から2~8日
主要症状 嘔吐、神経麻痺症状、瞳孔散大、便秘、閉尿などが、数日ないし数週間続く。死に至ることもある。
エルシニア食中毒
原因菌 エルシニア菌
感染源 ネズミ、豚、犬、猫などの保菌動物から排泄された菌が河川や井戸水を汚染することから感染。豚肉を切った手指、まな板、包丁を介して他の食品を汚染する。
潜伏期間 2~11日
主要症状 腹痛、下痢、発熱。
サルモネラ食中毒
原因菌 サルモネラ菌
感染源 鶏卵の殻や中身も汚染の可能性もある。不十分な加熱、手指や調理器具を介しての二次感染も多い。
潜伏期間 6時間~6日
主要症状 腹痛、下痢、嘔吐、発熱。特に発熱の頻度が多い。
腸炎ビブリオ食中毒
原因菌 腸炎ビブリオ菌
感染源 近海産魚介類およびその二次製品。発生は夏季に集中し、冬季の発生はほとんどない。
潜伏期間 8~24時間
主要症状 腹痛、下痢、嘔吐、吐き気、発熱。たまに、循環器障害。
ウェルシュ菌食中毒
原因菌 ウェルシュ菌
感染源 原因食品は食肉および魚介類が多い。これらの材料を大量に加熱調理して供給する際に、大鍋の底などで増殖。別名給食病。
潜伏期間 6時間~3日
主要症状 腹痛、下痢、嘔吐、吐き気、悪心。
カンピロバクター食中毒
原因菌 カンピロバクター菌
感染源 豚や牛、鶏の腸管にいる菌で、解体時に肉を汚染することが多い。加熱不十分や、二次汚染も多い。初夏から初秋に発生。
潜伏期間 1~7日
主要症状 下痢、腹痛、発熱、頭痛。発熱は38℃台が半数。
セレウス菌食中毒
原因菌 セレウス菌
感染源 食品を汚染して増殖し、菌数が多くなった後摂取すると発病する。土壌中をはじめ、広く調理環境に分布している。
潜伏期間 (1)下痢型:8~16時間
(2)嘔吐型:1~5時間
主要症状 (1)下痢、腹痛。
(2)悪心、嘔吐、一般的に症状は軽く、1~2日で回復。
おさらい
  • 病原体は糞尿や汚染された水、化膿した傷、汚れたタオル・各種器具に存在することも!
  • バイ菌のリスクを減らすためには、まず手をしっかり洗うこと。器具類はしっかり洗浄するとともに、器具を分けることも効果的。
  • 食材はしっかり加熱しよう。
  • 感染したら調理や浴槽での入浴を避け、二次感染を避ける!
  • 自己診断は危険!おかしいなと思ったら医師の診断を受ける!
【参考文献】
「恐怖の病原体図鑑 ウイルス・細菌・真菌 完全ビジュアルガイド」トニー・ハート著 中込治訳 西村書店
「食中毒学入門 予防のための正しい知識」本田武司著 大阪大学出版会
「保健室で見る 感染症の本 みんなをねらう、危険な敵 ③「食中毒」編」近藤とも子著 国土社
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